物件の引渡しについて
【引渡しまでに】
物件の引渡しは所有権の移転登記と並ぶ売主の基本的義務で、買主の代金支払いと同時に履行される関係にあります。この作業はできるだけ同時に行うようにしてください。登記を買主の名義に変更しないで放っておくと、売主が自分の不動産と偽って第3者に売ってしまう「2重売買」を起こしかねない、と買主を不安な気持ちにさせてしまうからです。
しかし実際には、残金の支払いは銀行で、登記の手続きは法務局で行われるのが一般的ですから、両者を同時に行うのは難しいです。
そういった場合には、先行入居またはその逆のパターンのときに、一時的にでも所有者とは異なる人が居住することになるため、契約上の取り決め事項などを詳細に確認する必要があります。例えば、その間に隣家から類焼してしまったり、地震など自然災害で建物が損傷したりした場合の「危険負担」、固定資産税・都市計画税の負担、マンションであれば管理費・修繕積立金の負担などをどうするのかなどがそうです。危険負担や固定資産税、都市計画税、管理費・修繕積立金などについては、通常の場合、引渡し日(先行入居であれば居住開始日など)を境として買主の負担とするケースが多いですが、実際の残代金支払日(所有権移転日)を境とした出来合いの契約書のままとなっていることも考えられます。
<確認事項>
・登記が買主の名義に変更されているか
・危険負担について
・固定資産税、都市計画税の負担
・管理費、修繕積立金(マンション)
【実際の引き渡し時に】
引渡しに際しては、目的物件が契約書の内容通りかどうか、また物件の明渡しが完了しているかを確認するようにしてください。特に、契約のときに未完成だった場合は、事前に売主・買主双方立会いの上、物件をチェックすることが重要です。
ちなみに引渡し時に、固定資産税・都市計画税や公共料金の精算を行います。マンションの場合は、管理会社へ通知するとともに管理費や修繕積立金、駐車場などの専用使用料についても清算します。
また、建物については建築確認申請時の書類や検査済証、マンションの場合は管理規約や使用細則など、物件に関する資料や図面、物件の鍵を買主に渡します。通常、登記は司法書士に委任して行うので、売主から買主への所有権移転登記を行うための書類(権利書、委任状、印鑑証明書)を司法書士に渡します。さらに、ローンが残っており、買主から残代金を受け取らないと債務完済できない場合は、完済当日までに抵当権抹消登記の書類を金融機関などに用意しておいてもらうことが必要です。
<引き渡し時に行うこと>
・残金の支払い
売買代金から手付金・内金を差し引いた残額を売主に支払います。このときに買主は売主から売買代金の領収証を発行してもらいます。
・公租公課等の清算
固定資産税、都市計画税、マンションの管理費、修繕積立金などは引渡し日に日割り生産を行います。買主の負担分については、残代金支払日が確定した段階で業者から連絡されます。
・登記手続き
通常登記手続きは残代金決済に立ち会った司法書士が代理人となって行います。この際、買主には、登記に必要な税金(登録免許税)と司法書士への報酬が必要です。
・鍵の引渡し
買主は売主から鍵を受け取り、物件の引渡しを行います。ドアの鍵等は一部紛失されている可能性があるので、早いうちに交換しておくのがいいでしょう。
・仲介手数料の支払い
不動産会社への仲介手数料がありましたら、それを支払うことになります。
